川﨑建築都市研究所(川崎建築都市研究所)
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■建築が持つ本当の美

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近年、デザイン性を重視したカッコいい建築が話題となっ
ています。

そして、TVや雑誌などで紹介されるそれらの建築は一見美しく、スタイリッシュで未来的な生活を想像させてくれます。

でも、それらのほとんどが、新しい状態の時にきれいに整理された状態で紹介され、その建築空間で過ごす事が本当に心地よく、永久に幸せを享受できるものであるかは疑問です。

単にデザインが美しいだけでは、それは単なるモニュメントと同じです。しかしながら、建築というものは、その中で人々の営みが行なわれるものであり、それが本来の目的ともいえます。

歴史の深いヨーロッパ各国では建築を考える時、機能性よりデザインを重視する傾向にありますが、日本では機能性を重視する傾向にあります。戦後復興と高度経済成長によって量と機能性に焦点を置いてきた結果、そういう意識が根付いてしまったのですが、その結果、日本の多くの建築空間が本来持ち得ていた美しさを失い、同時に人々の建築への愛情も薄れているように見受けられます。

いくら機能性がよくても、デザインに無頓着な建物であれば、人々に価値を評価されず、古くなったらすぐに立替えられる運命にあります。量から質へと再びシフトされようとする現代、もっと愛着が持てる建築を増やしていくことが必要です。

私は、機能性とデザインは相反するものではなく、同時に考えていくべきものだと考えています。

多くの名建築を設計した世界的建築家、丹下健三は「美しきもののみ機能的である」という言葉を残し、デザインと機能性を兼ね備えた氏の作品が、現代でも人々に愛着を持って使われ続けています。

愛着を持って永続的使いたくなるような建築と、そこで楽しく美しいライフスタイルを送る人々が合わさった時、初めてその空間は真の美しさを得るのではないでしょうか。